富山大学と考える“南砺で暮らしませんか!”プロジェクト

「富山大学と考える“南砺で暮らしませんか!”プロジェクトに係る連携協力に関する覚書」締結式

日時:平成29年7月21日(金)9:30〜10:30
場所:南砺市役所 福野庁舎 301会議室

 富山大学と南砺市は,南砺創生,COC+連結事業に係る連携協力に関する覚書を締結した。南砺市役所福野庁舎でおこなわれた締結式では,富山大学の鈴木基史地域連携推進機構長,南砺市の田中幹夫市長はじめ,市・大学関係者・報道関係者等が参加するなかおこなわれた。

開会
司会進行:南砺市市民協働部 南砺で暮らしません課 協働のまちづくり係 石本裕係長
経過報告 
「富山大学と考える“南砺で暮らしませんか!”プロジェクトに係る連携協力に関する覚書」締結式
呉西創生/信頼の循環・強化_呉西戦略
富山大学と考える“南砺で暮らしませんか!”プロジェクト
〜南砺創生 小規模多機能自治→COC+連結 地域定着〜
報告者:南砺市市民協働部 南砺で暮らしません課 市川孝弘課長
    富山大学地域連携推進機構地域連携戦略室 金岡省吾室長

南砺市から覚書締結に至るまでの経過について報告。南砺市長の市政への3本柱「市民が主役の市政」「常に市民目線の行政運営」「市民と行政の協働のまちづくり」を基に今日まで取り組んできた協働の取組を示し,南砺市協働のまちづくり基本条例策定の経緯を説明。骨子となる地域内分権に考えついて「補助金から交付金へ」「自ら考え自ら行動するまちづくり・地域づくりへ」「自己決定・自己責任の原則」をあげ,行政と地域の関係を構築し地域全般にわたる課題解決をはかり地域の実情に合った地域づくりを推進させ,人口減少や地域に根付いた課題解決に取り組んでいると報告。平成28年9月に開いた南砺市地域づくりフォーラムで,これからの地方再生の方向としての「小規模多機能自治」について学び,自治会・町内会は行事(イベント)から事業(サービス)へシフトさせ適地適作(策)型の地域づくりや独自の魅力づくりの必要や多様な主体による協働(総働)の必要を説明し,小規模多機能自治による住民主体のまちづくりをおこなっている先進事例として島根県雲南市の取組を紹介。南砺市では,小規模多機能自治から学ぶ地域づくり勉強会をこれまで31の地区で開催し各地区での課題や組織の課題が見えてきたと報告し,これまでの「地域内分権」「住民自治」に「小規模多機能自治」の手法を取り入れ南砺市独自の地域づくりをさらに一層進めたいと今回の協定締結へと繋がったと説明。富山大学との連携により市民会議への運営協力やフォローアップ,モデルプランづくりなどを通じ人材育成と地元定着率の向上,共同研究を当面展開すると報告。

富山大学から大学サイドの事業連携協定締結の狙いについて,小規模多機能自治は富山大学も興味を持っており,ノウハウ・新しい蓄積をしていき,南砺市を含む県内定着の促進(COC+)へつなげ,南砺市と新たなステージを作り,信頼関係を構築していきたいと説明。富山大学は皆さんと一緒に考えていくシンクタンク機能をつくり,その部分を教育に活用して,学生の地元就職へとつなげていきたいと取り組んでいる。現在までに魚津・高岡・舟橋・田辺で「小さな拠点」「CSV」「コミュニティビジネス」などを民間企業・団体・行政とともに蓄積してきた地方創生ナレッジを提供してきた。このノウハウを南砺市へ移転し,新しいノウハウを蓄積していき,さらにALL富山への波及を見込みたいと報告された。

覚書署名

田中幹夫市長と鈴木機構長氏が覚書書面にそれぞれ署名をおこない,連携協力に関する覚書の締結を完了した。

写真撮影
「富山大学と考える“南砺で暮らしませんか!”プロジェクトに係る連携協力に関する覚書」締結式

締結した覚書を手にした両者の記念写真と報道写真の撮影がおこなわれ,お互いに握手を交わし連携を確認した。

代表者挨拶
南砺市 田中幹夫市長

南砺市 田中幹夫市長

本日,南砺市と富山大学の「南砺創生,COC+連結事業に係る連携協力に関する覚書」が締結でき感激している。日頃から富山大学の皆様には,南砺市の様々な計画など広い範囲で協力を賜っている。連携を密にして地域の大切なモノをお互いWinWinの関係で進めていけたらと思っている。南砺市は4町4村が13年前に合併した。

これまで身近な行政から住民自治が見えていたかもしれないが,今後将来的に行政から予算や人的支援などが難しい中で如何に住民自治がそれぞれの地域の安心安全につながっていくかということで9年間住民自治・協働のまちづくりに取り組んできた。人口減少・高齢化の中で南砺市は9年前から富山大学医学部と地域包括ケアのことでご支援いただいている。地域の医師不足から始まったのだが,福祉介護が地域においての生活支援や協力,自助公助などどういうものが必要かを勉強会や病院を通じた研修など幅広くご尽力をいただき深く感謝している。

昨年から小規模多機能自治と言う言葉を総働をキーワードに地域に説明して廻っている。地域の課題である高齢化であったり将来の不安であったりと我々がこれまでやってきたまちづくりの観点などが混ざり合っての住民自治であると思う。様々な反応がありこれまでの取り組みを勇気を持って未来志向で進めていかなければならない。

知の部分で富山大学の力を借り,より住民自治の進展,新しい取組として人口維持・若い人の定住や県内大学生が地域に残るように魅力ある地域づくりにしっかり取り組んでいきたい。富山大学においては来年度から都市計画の新たな取り組みや新たな学部の創設もあるという。地方創生・一億総活躍社会の中で,若い人の力・アイディア・行動力が地域の活性化につながるのは言うまでも無い。富山大学を通じ富山の大学生と連携を密に取り組んでいきたい。

富山大学地域連携推進機構 鈴木基史機構長

富山大学地域連携推進機構 鈴木基史機構長

本日は連携協力に関する覚書締結ができ本当に良かったと思う。我々はこれまで魚津市や高岡市,舟橋村・和歌山県田辺市などで色々な活動をおこなっており,取組は全国の大学と肩を並べるほど特色を持った良い取組と評価を受けるまでになった。これから南砺市との取組ができると言うことで,これまで醸成した経験値を基に力を合わせて一緒に取り組んでいきたい。富山大学は26年にCOC+に採択され,地元に若者を定着させようというプログラムに取り組んでいる。これまでのCOCは地元を知ろうという目的だったが,+で就職率の10%向上というKPIができ真剣な地方創生戦略が必要となり,学生への教育だけでなく地方に残らせるための戦略をとらなければKPIを達成できない。民間企業に任せるだけでなく,こちらから何か仕掛けていかなければいけない。

魚津での新川高校との連携や舟橋村でのソフトからハードにわたるまちづくり,和歌山県田辺市での人材育成など富山大学の取組は高い注目を受けている。同じことを南砺市でするのではない。地方創生には上からでない下からの地域で暮らす人の意識が大切であり、それを皆さんと一緒に勉強し,南砺でしかできなかったことを日本全国・世界へ発信していければ良いと思っている。来年4月,都市デザイン学部というまちづくりの学部ができる。ここでやってきたことが次に学部に活かされる。充分なまちづくりをした上での共通の問題など次に大学の各学部で解決へと導く研究をしていく。住民の意識を変えながら全体として南砺市が都市として新しい機能をつくりながら一体となれるよう我々はお手伝いしてい蹴ればいいと思っている。

地域連携推進機構から都市デザイン学部、医学部とステップを踏んで息の長い活動となるよう市長をはじめ皆さまにご協力願いたい。